税情報の最近のブログ記事

相続税申告書作成DVDが発売されています。

「書籍には書いていない相続税申告の基礎講座」3巻のDVDが発売されています( ㈱レガシィ)。

3巻の内容は次のとおりです。

第1巻「相続財産の具体的検討」

第2巻「相続税申告書の注意点」

第3巻「特有の調査から重加算税の考え方」

「基礎講座」と銘打っていますが、実務家のための本格的内容です。

税理士さんが相続税申告書に携わる機会は多くありません。

年に1度または数年に一度というのが実態でしょう。

相続税の申告書の作成そのものは、申告書作成ソフトを使えば不慣れな税理士さんでもできます。

ただ、遺産分割のアドバイスから始まり、財産資料の収集検討、特例の適用、最後は調査の対応と難関がいくつも控えています。

この一つ一つをどのように突破していくかを解説したDVDとなっています。

 

 

新刊「贈与税の基本と特例Q&A」の紹介

春は名のみの風の寒さや、という日が続いています。

三寒四温、本来はもっと早い季節3月頃の言葉なのでしょうが、4月末でも当てはまる、不思議な日々です。

新刊書「贈与税の基本と特例Q&A」が発売されました。

平成25年度税制改正により、相続税はより厳しく、贈与税はより緩やかな方向で改正されました。

基礎控除が4割カットとなった相続税の対策として、贈与税は欠かすことができません。

相続税対策として中途半端な贈与を行って、失敗する事例が多くあります。

世上言われる家族名義預金などはその典型です。

その贈与税のこと、意外と知られてはいません。

贈与税のことを考える前に、そもそも贈与とはなんだろうと考え検討して贈与を行う必要があります。

本書は、タイトルにありますように、贈与税の基本をまず解説しました。

次に相続時精算課税制度の損得、創設された教育資金の一括贈与など、近年多くなってきました贈与税の特例を解説しました。

今後ますます贈与税の存在が大きくなってきます。

本書は資産税が苦手な税理士さんでもよく理解できるような構成にしました。

税法通達条文を余すことなく表示しましたので、特例適用を確認するときに大いに役に立つはずです。

また、、よくある誤りなどはQ&A方式で一般の方が読んでも理解しやすいように書かれています。

事務所に一冊あれば必ずお役にたつことでしょう。

 

 

相続税・贈与税の改正が見送られることになりました

 平成23年度税制改正法案について、民主党・自民党・公明党3党が平成23年6月8日に相続税等の改正を先送りする方針を決定しました。

対象となる主な改正案は次の通りです。

 

○ 所得税の諸控除の見直し

○ 相続税の基礎控除及び税率構造の見直し

○ 贈与税の税率控除の見直し及び相続時精算課税制度の見直し

○ 納税者権利憲章の策定

○ 法人税実効税率の引下げ

 

 相続税の改正案では、基礎控除額を4割減らし、税率を55%まで引上げるという大幅な改正になる予定でした。相続税が課税される件数が飛躍的に増加することが予想されていました。基礎控除ボーダーラインにいる方々にとっては、一息ついたところでしょうか。

 贈与税についても今年の改正の目玉でした。相続時精算課税制度を選択する場合の贈与者の年齢が60歳まで引き下げられ、受贈者に20歳以上の孫が追加される予定でした。直系親族間の贈与に適用される緩和税率が新設され、相続税を厳しくすることの裏返しとして贈与税を緩和して早期の世代間の財産の引継ぎを狙ったものです。相続税対策として贈与税の活用を予定していた方々にとってはちょっと残念なことです。

 この3党合意はあくまでも延期ということです。将来的に相続税の課税が厳しくなる方向であることに変わりはないと考えます。税制改正の動向を注視すると主に、対策は怠らないようにしなければなりません。

「ケーススタディ相続財産評価マニュアル」のご紹介

平成22年10月に新日本法規出版㈱から「ケーススタディ 相続財産評価マニュアル」が出版されました。

財産評価は相続税や贈与税の課税標準を確定させるために非常に重要です。財産評価は財産評価基本通達によって行います。法人税や所得税においても財産の時価算定のために、財産評価基本通達が活用されます。

実務上は、財産評価基本通達を基にしますが、通達の文言が具体的にどのようなことを表しているのか読み取れないこともあります。財産評価基本通達をなぞっただけの解説書では理解が進まないこともあります。

この本は他の財産評価の本と多少スタイルと異にしており、ケーススタディとして具体的事例を挙げて、具体的な計算の仕方を克明に解説しています。たとえば、代償分割が行われ代償金を何年かに分割して支払われる場合の代償金の計算方法や元本の受益者と利益の受益者が異なる場合の信託受益権の評価など、実例に出会ったときに、はたと困るような場面で大変役に立つ本です。

 私も、「その他の財産の評価」の項の一部を執筆しています。

 相続税の課税最低限が引き下げられ、相続税は資産家等特別な人だけが負担する時代ではなくなってきます。財産評価は避けて通れません。この本のご活用をお勧めします。

相続税が大きく変わります

1 平成23年度税制改正大綱について

平成22年12月16日に「平成23年度税制改正大綱」が発表されました。

23年以降からの生活に直結する重要な税制が様々盛り込まれております。所得税については給与所得控除の上限の設定、法人税については実効税率の5%減額等々が決定されました。その他にも配偶者控除の見直しや、消費税等については今後の議論を待つことになります。

 

2 相続税の改正

  この改正の中で相続税に関する重要な改正があります。

  相続税の課税割合はこの数年、死亡者数に対して約4.2%となっています。この課税割合が高いか低いかは議論のあるところですが、バブル経済にまっしぐらに突き進んでいた昭和62年には7.9%でした。これは全国平均ですから、東京等都市部やその周辺は10%を超えていたと考えられます。相続税の対象となる被相続人が100人に4人と減少したことで課税割合を高めようということになりました。

 

 

3 基礎控除額の見直し

⑴ 平成21年頃から相続税の課税方式を取得者課税方式若しくは遺産課税方式と検討されていましたが、結局は基礎控除の手直しだけが行われることになりました。

現行の相続税の基礎控除額は次の通りです。

  5000万円+1000万円×法定相続人の数

  相続人が妻と子供二人の場合、法定相続人が3人ですので総遺産価格が8000万円(5000万円+1000万円×3=8000万円)までは相続税の対象にはなりません。

    

これが今回の改正で4割引き下げられ、次の計算となります。

  

3000万円+600万円×法定相続人の数

 

   同様に相続人が3人の場合基礎控除額が4800万円(3000万円+600万円×3=4800万円)となりますので、相続税の対象となるボーダーラインが大幅に下がります。

 ⑵ 相続税の基礎控除はいまだかつて下げられたことがありません。今回の改正で初めて減額になります。

また、平成22年4月1日以降から小規模宅地等の課税の計算特例の見直しが行われ、その適用範囲が狭められました。その効果と今回の基礎控除額の見直しの効果とで、相続税の課税対象となる方々が大幅に増加すると考えられます。

 

4 死亡保険金の非課税限度額の見直し

死亡保険金を受け取った場合、保険金額に対して法定相続人一人当たり500万円の控除がありました。この控除は、生命保険金が相続人の生活保障という意味合いを持つため創設されたものです。昭和63年から500万円となっています。

今回の改正で、相続税の基礎控除以外の控除額に対する疑問や、生命保険金控除を適用するためだけの契約と思しきものが見受けられること等から見直しとなったものです。

  生命保険金の控除を全廃した場合、一定の相続人にとっては税負担が厳しくなることから、適用できる相続人の範囲を限定することになりました。

 

500万円控除できる相続人:未成年者、障害者、相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者

 

5 税率構造の見直し

  現行の相続税の最高税率は3億円を超えると50%です。今回の改正で3億円を超えると45%となり、6億円を超えると55%の適用となります。少々厳しくなったようです。

現行の税率

改正税率(案)

 1000万円以下の金額 …10%

      同左

 3000万円  〃   …15%

       〃

 5000万円  〃   …20%

       〃

   1億円   〃   …30% 

       〃

    3億円   〃    …40%

  2億円以下の金額 … 40

     ―

  3億円    〃 … 45

   3億円超の金額   …50%

  6億円    〃 … 50

     ―

  6億円超の金額  … 55

 

6 未成年者控除・障害者控除の見直し

未成年者控除・障害者控除についても次の通り金額の見直しがありました。

 

 

現  行

改 正 案

未成年者控除

20歳までの1年につき6万円

20歳までの1年につき10万円

障害者控除

85歳までの1年につき6万円

85歳までの1年につき10万円

 

7 適用予定日は平成23年4月1日以後の相続です。

上記は税制改正大綱での案です。これから国会で紆余曲折が予想されます。