新著「贈与税の重要テーマ解説」が2023年12月15日に出版されました

「小規模宅地等の特例」(税務経理協会)に引き続いて「贈与税の重要テーマ解説」(税務研究会)を出版しました。
 近年、高齢者の資産を早期に次世代に活用してもらうということで、様々な特例が創設されています。長寿社会となり、次世代も長寿の仲間入りするため、贈与のターゲットは次々世代でしょう。直系尊属からの贈与に対する緩和税率の特例、相続時精算課税の孫への適用、教育資金の一括贈与、結婚・子育て資金の一括贈与等の特例が目白押しです。
 贈与税はこのように財産の早期の活用を目的として分散を狙っていますが、ところが、相続税では「遺産移転の時期の選択に中立的な税制」を構築して、分散した財産を、相続税に取り込もうという税制も同時進行しています。
 相続税対策をする人にとってはなかなか難しい時代ではあります。しかし、贈与税は相続税対策の基本であり、かつ重要であることは変わりません。そのため、贈与税の本来の姿をしっかり押さえる必要があります。相続税対策の失敗は贈与の失敗が大半です。また、贈与税には各種の特例がありますが、適用しようとする特例が「非課税」又は「課税の繰延べ」のどちらであるかを十分に検討します。課税の繰延べの場合、当面税負担がないためなんとなく非課税のような印象で適用してしまいますが、将来、相続開始の時に必ず課税の対象となります。相続時精算課税、納税猶予などがあります。
 本書は、贈与税の基本から特例まで、勘違いや適用誤りの多い部分を取り上げたものです。税理士はもちろん一般の方でも重要な取扱いが理解できるよう、できるだけかみ砕いて解説しています。